今回使用したＰＩＣは、Ａ／Ｄ変換機能を持つＰＩＣ１６Ｆ８８とピン数が多いＰＩＣ１６Ｆ８７３の２つを使いました。
いずれも、ＰＩＣ１６Ｆ８４Ａでは代替できません。

回路のイメージは下図の通りです。

ＰＩＣ１６Ｆ８７３は、正弦波作成の役目を持ちます。

・リセット時に、ＲＡ０／ＲＡ１の状態で分割数を決定する

・ＰＯＲＴＣの値で１分割のループ回数を決定し、ＰＯＲＴＢのラダー回路で正弦波を作成する

ＰＩＣ１６Ｆ８８はコントローラとして使用します。

・ＲＡ０／ＡＮ０の電圧をＡ／Ｄ変換し、結果をＰＯＲＴＢに出力する

・ＲＡ５のプッシュボタンスイッチが押されたら、ＲＡ３／ＲＡ４の状態をＲＡ１／ＲＡ２に出力し、ＲＡ７を一瞬０（PIC16F873をリセット）にする

操作としては、ディップスイッチで分割数を選択し、プッシュボタンスイッチを押す事でＰＩＣ１６Ｆ８７３に反映し、ＲＡ０の可変抵抗で周波数を選択する、と言う流れです。
ＲＡ０の電圧と正弦波の波長は比例し、周波数は反比例の関係になります。

コントローラをＰＩＣ１６Ｆ８７７などにすれば、周波数をＬＣＤ表示する事も可能です。

回路図は以下の通りです。

２つのＰＩＣを接続するのに１０ＫΩの抵抗を介していますが、プログラムミスにより２つのＰＩＣを破壊しないための保護抵抗です。
一番右の出力用オペアンプは実際には試していません。恐らくこれで行けるだろうと言うレベルです。

ブレッドボードに組んだ状態です。
回路図に無いＬＥＤがいくつか有りますが、デバッグ用であり実際には不要です。
ディップスイッチは、２つ用が手元に無かったので４つのタイプを使っています。

ＰＩＣで正弦波が作れないだろうか、と考えた事がきっかけでここまで来ました。
ちゃんとしたファンクションジェネレータを作るのであれば、ＰＩＣだけでは無理でしょう。
専用のＩＣを使ってＰＩＣで制御すると言うのが正当な方法だと思います。

ですが、周波数を１Ｈｚ刻みに設定すると言った必要性が無ければ、今回の回路でも充分です。
安く、手軽にできるメリットもあります。

コントローラにＰＩＣ１６Ｆ８７７Ａなどを使い、鍵盤を付けて電子オルガンなども容易に作れるでしょう。
また、正弦波作成のＰＩＣ１６Ｆ８７３をＰＩＣ１８Ｆ２３２０にして４０ＭＨｚ動作させれば、もっと高い周波数も作成でき、 周波数の刻みも小さくできます。

工夫しだいで色々応用ができると思います。