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サーボモータの制御
更新日２００９．２．８
ここでは、サーボモータをＰＩＣで制御する実験を行います。
| サーボモータとは
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サーボモータは、一定の角度範囲（例えば０°〜１８０°）の任意の角度で位置決めできるものです。ＤＣモータなどのように回転はしません。
例えば、ラジコンカーでは、前輪の舵角制御やエンジンのスロットル制御などに使われ、ロボットであれば、関節の制御などに使います。
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＜サーボモータの例＞
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| 左：Futaba S3003（10年ほど前にＲＣカーで使用） 右：GWS NRH/BB/F（今回秋月で購入）
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| サーボモータの制御方法
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サーボモータの角度制御は、ＰＷＭ（Pulse Width Modulation：パルス幅変調）方式により行います。
ＰＷＭ方式とは、パルスの周期を一定にしてパルス幅を変える事で目的に合った制御を行うものです。
サーボモータでは、パルスの幅が回転角に対応するようになっており、パルス幅が狭ければ０°，中位なら９０°，広ければ１８０°と言うような動作をします。
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具体的にサーボモータに与える信号は下図のようになっています。
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- パルス幅
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| 狭い： | １ミリ秒
| | 中位： | １．５ミリ秒
| | 広い： | ２ミリ秒
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これは目安であり、メーカによって若干の違いがあるようです。実際に使うサーボに合わせて微調整が必要です。
- 周期
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周期はサーボの回転角と無関係ですので、１５〜２０ミリ秒程度の範囲で自由に決めてかまいません。
メーカによる差も無いと思います。（今回のプログラムでは１３ミリ秒にしました）
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| 実験回路
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今回の実験回路です。
ＤＣモータの制御で使った回路のモータ部分をサーボモータに変更した構成になっています。
左の積分回路は簡易Ａ／Ｄ変換回路で、２０ＫΩのボリュームを回す事でサーボモータの回転角を制御できるようにします。
右のＳＤ１６０２はＬＣＤ（液晶ディスプレイ）でＡ／Ｄ変換結果やパルス幅を表示します。ＳＣ１６０２でもピン配置が異なるだけで使用可能です。
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| サーボモータの信号線の色
- 白：制御信号
- 赤：Vdd
- 黒：GND
ＲＢ３とサーボモータ間の１０ＫΩの抵抗は無くてもかまいません。
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- こちらはブレッドボードに組んだ状態。
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 | 回路図に無いもの（６ピンのピンヘッダ周り）が有りますが、これはＩＣＳＰ（In-Circuit Serial Programming）用の回路です。
秋月のＰＩＣライタなどを使う場合は不要です。
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| プログラム
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大半の処理は、ＤＣモータの制御（ＯＮ／ＯＦＦ，スピード制御）と同じです。
- プログラム概要
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- 今回のプログラムでは以下の動作をさせます。
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・簡易Ａ／Ｄ変換を行う
・簡易Ａ／Ｄ変換結果でＰＷＭのパルス幅を決め、サーボモータを制御
・Ａ／Ｄ変換結果などをＬＣＤに表示する
- パルス幅
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パルス幅は、下図のように固定部と可変部に分けて制御するようにしました。
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| 固定部 | ：０．５ｍＳ
| | 可変部 | ：０〜１．６ｍＳの範囲で、簡易Ａ／Ｄ変換結果で決定
| | 合計 | ：０．５〜２．１ｍＳ
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- 基準時間
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- 基準時間は、ＴＭＲ０割込みを使い、２５．６ｕＳ（マイクロ秒）としました。
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| クロック | ２０ＭＨｚ
| | ＴＭＲ０ | １２８
| | プリスケーラ | なし
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- 時間
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- 周期および固定部と可変部の時間は、ＴＭＲ０割込みをカウントする事で以下のように決定します。
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| ＴＭＲ０割込み回数と時間
| | 周期 | ５１２回（25.6uS×512≒13.1mS）
| | 固定部 | ２０回（25.6uS×20≒0.5mS）
| | 可変部 | 簡易Ａ／Ｄ変換結果を１／４した回数
Ａ／Ｄ変換結果が０〜２５５の範囲だとすると、１／４して０〜６３となる。
25.6uS×63≒1.6mS
従って時間の範囲は、０〜１．６ミリ秒。
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- Ａ／Ｄ変換
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Ａ／Ｄ変換は、ＤＣモータの制御（ＯＮ／ＯＦＦ，スピード制御）と同じで以下の手順としました。
- Ａ／Ｄ変換結果が最大になるようにボリュームを回しておいて電源を入れる。
- 電源投入直後の初期処理でＡ／Ｄ変換を１回行い、0FFhとの差を計算し保存しておく。
- メイン処理の中では、Ａ／Ｄ変換した結果に上の差を加算し、１／４して０〜６３の範囲の値を得る。（実際には、２〜６２程度の値が得られる。）
また、以下の処理を組み込んでいます。
- プログラムロジック的に０は扱いづらいので、Ａ／Ｄ変換結果が０だったら１に変更
- Ａ／Ｄ変換結果は毎回若干異なった値になり、そのまま使うとサーボモータが振動する場合があるため、Ａ／Ｄ変換結果を平均化
- ＬＣＤ表示
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ＬＣＤには以下のように状態を表示します。
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A/D=aa PWM=pp
Max=mm dif=dd
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| aa | ： Ａ／Ｄ変換結果を１６進数で表示
| | pp | ： ＰＷＭのパルス幅を１６進数で表示
| | mm | ： 電源ＯＮ後の初回のＡ／Ｄ変換結果を１６進数で表示
| | dd | ： 0FFhと上記mmとの差を１６進数で表示
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- 概略処理フローを載せておきます。
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- こちらは実験風景。
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| 感想など
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- Ａ／Ｄ変換
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Ａ／Ｄ変換結果はボリュームを回さなくても変動するため、平均化してからパルス幅に変換していますが、それでもサーボが振動します。
今回は、ＰＩＣ１６Ｆ８４Ａでサーボモータを扱うために簡易Ａ／Ｄ変換を行っていますが、実用のためにはＡ／Ｄ変換機能を持ったＰＩＣを使うべきです。
（８４Ａ以外のほとんどのＰＩＣはＡ／Ｄ変換機能を持っています。）
- パルス幅と周期
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今回使った２つのサーボモータのパルス幅と周期は以下の通りでした。
| Futaba S3003 | GWS NRH/BB/F
| | パルス幅 | 0.5〜2.3mS | 0.2〜2.3mS
| | 周期 | どちらも、6〜25mSの範囲で動作しました
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